
海外の業者とコミュニケーションをしっかり取れるかが大きな壁ですが、海外の協力企業と日本語でしっかりとしたコミュニケーションが取れており、日本の商習慣を良く分かってものづくりをしています。
製作前の刃物Rや貼りあわせの打ち合わせ、納期の管理等、日本と変わり無く業務に取り組んでいます。人員が多いので24時間体制等も当たり前になって来ています。
無理をしすぎないよう配慮していますので、納期の遵守率は非常に高いです。
井上模型の品質管理
加工品は全て品質検査室を通ってから出荷します。
品質検査室は摂氏20度に保ち少し時間を置いてから、CNC画像測定器を中心とした検査機器を使って検査します。
2次元図面が有る仕事の場合
実測値記入の図面を製品と一緒に納品する事がルールとなっています。
その他の検査器具としまして、デジタルハイトゲージ、表面荒さ測定機器、ピンゲージ、栓ゲージ、内マイクロ、外マイクロ、3点マイクロ等、アナログな検査機器も多数そろえ品質管理には全社一丸となって取り組んでいます。
海外協力工場の加工設備
設備は主に中国製や韓国製のマシニングセンタを中心に設備しています。
繰り返し機械精度は0.01から0.02前後、熱変位では0.05くらい伸びる事も有ります。
技術者の話だと大体15年前の日本製の普及型マシニングセンタくらいの性能らしいです。
クランプに関しては両面テープでの加工が中心となっています。通常のバイスや刃物は有りますが、社暦の浅い会社が多く(大体長くても10年まで)立加工用の冶具や特殊な刃物は入手が難しいそうです。
反面、クオリティが少し低い所は有りますが、そこに目をつぶれば塗装やアルマイト、めっきまで何でもカバーします。
海外調達での注意点

まずは皆さん気になるのは品質ですが、機械やCAD/CAMの進化によりそこそこの製品が上がって来るようにはなって来ました。社歴の浅い会社が多いので経験不足と日本独自の図面の書き方への戸惑い、検査設備や体制に力を入れていない等の理由で、中国よりはレベルの高い韓国の業者で約10%程度、不良が出ます。井上模型社内ですぐに修正して出荷出来ますので安心です。
次に約束を守ると言う事の力が少し弱いと感じる時が有ります。(言葉の壁と文化の違い、経営方針が理由かもしれない)特に中国では納期が少しルーズです(受注後5日から7日というような短納期だと困る事もあるでしょう。約束から1日から3日はサバ読みしておいた方が得策です。韓国ではハンドキャリー業者が整備されており前日に発送されれば、翌日の午後には到着します。
- ソリや歪みの発生を予想出来なかった
- 公差が出せない
- 高レベルの技術要求を満足出来ない
- バリ取りが甘い等
- 品質に関してはまだまだ日本の方が上